昨夜の話題

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中間層減少 止めないと

首相が消費税増税再延期を表明しました。「今が不景気で、増税でさらに不景気になる」ことを認めたのです。サミットで世界同時株高を促しましたが実らず、経済政策の軌道修正に手を染めざるを得ないとの結論に至った。そう見ていいでしょう。

 

「この増税延期は選挙対策でしょ」と思うかもしれませんが、事態はもっと深刻です。なぜ深刻なのか? その理由を「国民がどんどん豊かになっていく」(:経済成長)のプロセスから説明しますね。

 

経済成長は「国民が稼いで潤って安心してお金を使う」と実現できます。エコノミストっぽく喋ると、「所得が増え、貯蓄も増え、家計支出も増え、個人消費が増大すると、経済は成長する」なんて言い回しになります。

 

では、経済成長の主役は誰かというと、「潤って安心してお金を使う」人なのです。リアルにいうと、「ボーナスが入ったから思い切ってちょっと豪華な家族旅行に行こうか!」くらいの余裕のある人を指します。彼らのような人を「中間層」と呼びます。

 

この「中間層」が沢山いると、経済は成長します。お給料の多くをどこかで使ってくれるので、企業の売上げも一緒に増えます。逆に「中間層」が減ると、経済成長は難しくなります。お金持ち、いわゆる「富裕層」が頑張れば!と思う方もいるかもしれませんが、彼らは数が少ないんです。そして、日に10回もご飯を食べません。個人に出来ることって限界があります。要は、数なんです。

 

で、日本の現状を見ると、「中間層」がどんどん減っています。収入はさほど増えないのに出費が嵩(かさ)んで、十分に貯金もできない。そんな人が増えています。

 

すると、どうなるか? みんな倹約します。財布の紐を締めます。そんな人が増えると景気が悪くなります。経済成長は望めなくなります。

 

もうお分かりですね。消費税増税は「中間層」を減らす要因なのです。それでも8%にしました。で不景気になりました。エコノミストの中には「景気は足踏み」なんて楽観論がありますが、巷へ行けば一目瞭然。だから、今回の延期なのです。

 

でも、これは問題の先送りに過ぎません。「中間層」が減っていく流れは政策的に変わっていないからです。だから残念ですけど、不景気はずっと続きます。23日に書いた話、第三京浜の値上げを心配したのは、この「中間層」減少が前提にありました。

 

sakuya-no-wadai.hatenablog.jp

 「わずかの値上げで大袈裟な!」ではない位、事態は深刻。わたしはそう見ています。首相の判断は現実的です。問題を構造的に解決する必要があります。今後に期待しています。