お盆とは、天の家族と自宅で過ごす、とても豊かな時間なのです!
亡くなった家族(動物たちも)が、天から我が家に帰って来る。数日、一緒に過ごし、家族はまた天に帰っていく。この豊かな時間を「お盆」といいます。そんな「お盆」をちょっと解説。
お盆は迎え火で幕を開けます。
お盆の始まる日(:お迎え日)、家の玄関の前で、苧殼(おがら)という枯れ草(:皮を剥いだ麻)を、炮烙(ほうろく)という土器の皿の上で燃やします。これが迎え火。苧殻の煙を天に向かって放ち「お帰りはこちら!」を家族に知らせるのです。
この方法、迎える側が引っ越しても迷わないシステムになっています。でも一つだけ注意してください。日が落ちて夜になると煙が見えにくくなります。できれば陽が沈む前に、苧殻を燃やしてくださいね。
さて、苧殻の煙に気づいた天の家族(なくなったワンちゃんも猫ちゃん、小鳥たちも…)、「わたしの迎え火」を炊く家に向かってやってきます。このとき、人は牛や馬に乗っての来訪となります。でも、本物の牛や馬じゃなく、季節の野菜、茄子を牛に、胡瓜を馬に変身させ颯爽とやってくるのです。
そのスピードは光の如し。天の家族はあっという間に到着します。迎える方が苧殻の燃えかすを片付けている間に着いてしまうのです。
ですからこのとき、着いた家族が「さてさて、わたしたちはどこに落ち着けばいいのかな?」と迷わないように、前もって真菰(まこも)という小さな茣蓙(ござ)を敷いておきます。
この真菰、「まずはここで小休止してくださいね」「乗ってきた牛や馬もここに置いといてくださいね」というスペースなのです。だからサインボードとして、茄子の牛、胡瓜の馬、もしくは真菰で編んだ牛や馬を置いたりするんです。
真菰で少し休んでもらった後は、いよいよ歓迎の宴(うたげ)です。
帰ってくる家族が好きだったご馳走を用意し(お祖父ちゃんは茹で立ての枝豆が好きだった…お母さんはトンカツが好きだった…とか色々)、「さぁどうぞ!」と勧めながら、みんなで楽しく過ごします。
お盆は、とてもよい習慣だと思います。
大切な人や動物たち、ぜんぶの笑顔が一堂に揃います。
新暦のお盆は、明日13日がお迎え日。
みなさんも、この豊かな時間を過ごされてみては!
うちも今日から準備をします。